ひざ(膝)の痛みの原因
変形性膝関節症
高齢者の膝の痛みの多くは、軟骨がすり減ることによる変形性関節症です。
一般に軟骨が減るのは膝の内側から起こるため、膝の変形はO脚、つまりガニ股を呈することがほとんどです。
軟骨がすり減ると骨同士が擦れあうようになり、人間の体は摩擦を減らそうとして関節液を増やします。この現象が「膝に水が溜まる」と呼ばれているものですが、潤滑剤を増やそうとしているのですから、溜まった水を注射で抜けば、体側は一層関節液を溜めようとしてイタチごっこになってしまいます。
したがって最近は、むやみに膝に溜まった水を抜くことはしません。
もともと関節液にはヒアルロン酸が含まれ粘り気があるのですが、変形性関節症の関節液はヒアルロン酸の濃度が下がって粘り気のない、さらさらした液体になり潤滑作用が低下します。
このため最近はヒアルロン酸を注射して濃度を高め、関節液の粘り気を回復させる治療が行われています。
軟骨の摩耗が進行すると手術治療として骨切り術・人工関節置換術などが行われますが、最近は再生医療のPRP注射によって、末期変形性関節症でも軟骨が再生する可能性のあることがわかってきました。
詳しくは「4万円台からのPRP注射」へ半月板損傷
ひざ関節内部には半月板という軟骨の板が内側と外側に1枚ずつ入っており、関節を滑らかに動かす働きをしています。半月板が切れると、ひざ関節内で演奏が起こり疼痛の原因になります。
断裂した半月板は自分で再生する能力に乏しいため、症状が著しい場合は手術で縫合や切除が行われますが、最近は再生医療による手術をしない治療が試みられています。
詳しくは「筋腱靭帯損傷のPRP注射」へ