漢方整形外科外来
酒井院長は横浜市立大学在職中に横浜市と姉妹都市であった上海市からの留学生医師を担当し、彼らから中国における漢方医学の在り方を学びました。また麻酔科医時代に上海医学院に留学して鍼麻酔を学んだ医師の指導を受け、鍼麻酔の外来を担当した経験もあります。
このような経緯から、さかい整形外科では西洋医学とは別の観点で、漢方医学による整形外科治療を行っています。
漢方の基礎
漢方では、人間の体が「気(き)」・「血(けつ)」・「水(すい)」の3つの構成要素で支えられていると考えられています。
気は元気の源である生命エネルギー、血は体を作るための原料、水は体内の水分すべてを総称しています。
これら3つの構成要素が不足するか、滞ることによって6種類の体質に分類されます。
気虚(ききょ)気が不足した状態
気帯(きたい)気が滞った状態
血虚(けっきょ)血が不足した状態
瘀血(おけつ)血が滞った状態
陰虚(いんきょ)水が不足した状態
水帯(すいたい)水が滞った状態

各体質では気・血・水の三要素のバランスが崩れているため、体に様々なトラブルが生じると考えるのです。
たとえば気虚は気が不足していますから、疲れやすい、風邪をひきやすい、やる気が出ない、食欲がない、などといった症状が出るとされています。
漢方では患者の体質を判定して、不足したり滞っている状態を改善することにより、症状を改善するという手法がとられます。
漢方における痛み
漢方では「痛み」の発生は、「気」と「血」が滞ることによって起こると考えられています。
さらに痛みを起こす原因には、以下などがあると考えられています。
環境が要因となる六淫(ろくじん):風・寒・暑・湿・燥・火
精神的な情動が原因となる七情(しちじょう):気・怒・憂・思・悲・恐・驚
慢性疲労による労倦(ろうけん)
飲食の不摂生
外傷
さかい整形外科では、漢方の独自の視点から、西洋の医学では治療し難い疼痛を診断し、漢方薬を処方する、漢方整形外科外来を開いています。
漢方トリガーポイント注射
トリガーポイントとは、圧迫などの刺激で鋭い痛みを生じる、筋肉内の硬結(しこり)のことです。ここに除痛目的で局所麻酔薬を注射するのが、トリガーポイント注射です。
漢方トリガーポイント注射は、鍼灸のツボに局所麻酔薬の注射を行うもので、酒井院長がこれまでの経験に基づいて考案した治療法です。
酒井院長は麻酔科医時代に、上海医学院に留学して鍼麻酔を学んだ医師から鍼麻酔を学び、国内の病院で鍼灸外来を担当した経験があります。
その後アメリカ留学時代に、カナダのChit Chan Gunn教授が鍼灸のペインクリニックへの応用を提唱していることを知り、従来のトリガーポイント注射に漢方トリガーポイント注射を併用する方法を考案しました。この漢方トリガーポイント注射を、帰国後主にスポーツ選手を対象として行い、好評を得ていました。
漢方トリガーポイント注射は、トリガーポイント注射の一時的な除痛効果を、より長時間持続させることが可能です。頑固な腰痛、首や肩の痛みなどに大きな威力を発揮します。
