さかい整形外科

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さかい整形外科【公式】練馬区 江古田 整形外科 音楽家・ダンサーの治療

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音楽家の診療について

ボイスクリニックの診療について

 

「声」は会話やコミュニケーションをするための重要な機能です。日常生活はもちろんのこと、仕事においても声の不調は問題となることがあります。 また、精巧な楽器でもあり、発声を研鑽することで、歌ったり、色々な声色を作り出すことが可能です。芸術的に使用されている方々にとっては、きわめて繊細な感覚をお持ちだと思います。 私は、東京医科大学耳鼻咽喉科 音声外来、以前の三田病院 声の治療・相談センター、東京ボイスセンターなどで10年ほど継続的に音声の診療や研究・音声手術を行い、音声言語医学会の評議員として音声医学を学んで参りました。クリニック内ですべてが完結できないこともありますが、疾患やご職業に応じたアドバイスや治療選択を説明し提示いたします。木曜は東京医大と東京ボイスセンターで外来や手術を担当しております。音声治療はH31年4月から言語聴覚士によるリハビリテーションを開始予定です。

 

 

問診について
ボイスクリニックでは、声の悩みや不安がどのような場面で、どの程度生じているかを把握することから始まります。そのための問診を行います。声の使用状況や、風邪の有無、食生活などの喉に関連する項目をお伺いさせて頂きます。
 

喉頭内視鏡・ストロボスコピー検査

 
次に、「楽器としての声帯」が「構造的な異常」を抱えていないかどうか、喉頭内視鏡やストロボスコピー検査で声帯の形態や振動を入念に観察します。小さな病変が疑われるときは、声帯の上から下、前から後ろ、伸びたとき、縮んだときなどを詳しく観察します。 また、口・舌・咽喉頭(のど)・鼻といった声色を形作る共鳴腔も確認します。 声の悩みで来院される方は、会話音、高音発声、低音発声、一部の音域や音色のみで異常を訴えるなど様々です。繊細な悩みであるほど、微小な「構造的な異常」を確認する目が、診療のなかで一番重要なポイントになります。わずかな声帯ポリープでも、それが声の不調の原因であるならば切除を必要とする場合があるからです。しかし、明らかな声帯ポリープがあったとしても、単純にそれが患者様の声の悩みの原因にはなっていない場合もありますので、原因と症状が結び付くかを理論と経験から見分けて慎重に診断を行います。 診断と治療評価のために、必要に応じて発声の持続時間や音域、会話音声の録音、声の音響分析なども行います。声帯筋の筋電図をお薦めする場合があり、3DCTやMRIなどの画像検査や採血によるホルモンの検査などをお願いする場合もあります。
 

声の疾患について

 

声の疾患には、大別して以下の3種類あります。これらが重複して起きている場合もあります。

 

 

声の疾患に関する主な症状
  • 「楽器としての声帯」の構造(声帯表面や声帯の筋肉)に異常が見られる。
  • 「楽器としての声帯」の構造が正常であるものの、「声帯の動き」に異常が見られる。
  • 「楽器としての声帯」の構造が正常範囲で、「声帯の動き」も正常範囲だが、声の不調を伴う。
 

 

 

 

①「楽器としての声帯」の構造(声帯表面や声帯の筋肉)に異常が見られる場合
「楽器としての声帯」の構造(声帯表面や声帯の筋肉)に異常が見られるものに以下のようなものがあります。それぞれに特徴や治療法が異なり、2種類以上が重複していることも多くあります。病変の場所(声帯の上下前後)や、病変の大きさによっても症状が変わってきます。

 

①の主な症例
声帯ポリープ・声帯結節・声帯のう胞・ポリープ様声帯・声帯良性腫瘍・喉頭がん・声帯瘢痕・声帯溝症・声帯萎縮・声帯肉芽腫・声帯炎・喉頭アミロイドーシス・特殊な声帯感染症・自己免疫疾患による声帯病変・喉頭外傷・声帯脱臼 など

 

 

 

②「楽器としての声帯」の構造が正常であるものの、「声帯の動き」に異常が見られる場合
「楽器としての声帯」の構造(声帯表面や声帯の筋肉)が正常であるものの、「声帯の動き」に異常が見られる疾患には以下のようなものがあります。思ったように声帯を動かせないというものですが、動き過ぎる場合(声のつまり、とぎれ、ふるえ)、動かない場合(声が弱い、声が抜ける、息がもれる)があります。さらにこれらの原因は声帯を動かす反回神経の一部の麻痺から、脳のレベルでの調節障害まで多様です。情動やストレスなどの心因が関係する疾患と、あまり関連のないものがあります。

 

②の主な症例
片側性声帯麻痺・両側性声帯麻痺・過緊張性発声障害・痙攣性発声障害・低緊張性発声障害・変声障害(声変わり障害)・音声振戦・吃音・心因性音声障害 など

 

 

 

③「楽器としての声帯」の構造が正常範囲で、「声帯の動き」も正常範囲だが、声の不調を伴う場合
「楽器としての声帯」の構造(声帯表面や声帯の筋肉)が正常範囲で、「声帯の動き」も正常範囲ではあるが、声の高さや音色に悩みを持つ場合や、発音の問題、一定の環境下において悩みが生じる疾患には以下のようなものがあります。

 

③の主な症例
歌声障害・ピッチ障害(声の高さの障害)・共鳴の異常(閉鼻声や開鼻声、舌や咽頭の動きの異常など)・逆流性食道炎に伴う音声障害・ホルモンの異常による音声障害・場面型音声障害(緊張する場面のみで症状が出るなど)・構音障害(脳梗塞後の運動障害、子供の滑舌不良、大人の発声の癖なども含む) など

音声障害の治療

 
切らない治療
薬物加療
  • 内服加療(消炎剤や抗アレルギー薬、胃薬、ステロイドなど)、緊急時の声帯炎などには点滴加療を行います。

 

 

 

音声治療
  • 声のメンテナンス、逆流性食道炎の衛生。
  • 音声リハビリテーション(H31年4月より開始、保険診療)。
  • 他科の併診をお薦めする疾患があります。
 

 

声帯注射、声帯内挿入術
  • 外来局所麻酔下、日帰り処置。
  • ステロイド注入(声帯炎、声帯瘢痕、喉頭肉芽腫 など)。
  • ボツリヌストキシン注入(痙攣性発声障害の疑いの可能性など)。
 

 

 

 

手術加療
手術加療について
  • 外来局所麻酔 声帯ポリープ切除術(内視鏡下切除、当院日帰り処置)。
  • 入院全身麻酔 声帯ポリープ切除術。直達喉頭鏡下の喉頭微細手術、東京ボイスセンター(1泊2日入院)などで行います。
  • 入院局所麻酔 喉頭形成術。頸部を数㎝切開して喉頭軟骨を形成します。東京ボイスセンターなどで行います(入院日数は術式により2~5日間程度です)。
 

治療についての留意点

声の悩みや声の病気の治療を行うにあたり、一番重要なのは正確な診断です。 しかし、診断が確定できない場合には治療を先行して行う場合もあります。この治療が効いたから、この疾患であったのだという診断的治療です。診断的治療は効かない可能性にも考慮して、侵襲が少ない、もしくは効果が一時的で元に戻るような治療を選択します。例えば、診断が明確ではないが逆流性食道炎の治療だけを始めてみたら声の違和感が治る場合などがあります。ボツリヌストキシン注射なども御相談して診断的に行うことがあります。
 
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